マイケルアレフのことばの不思議な世界 正しいとは、現時点で修正を必要としていないと考えること、 間違い、誤りとは、現時点で修正を必要とすると考えることである、 シリーズ37 人は目先の間違いに気づき、修正しようと努力する人はいても、人類が抱えている問題の根本原因に気づいていないように思える。人の世界は、自分を含め間違いだらけの中にある。 情報が溢れる程あっても、情報から学べない、気づかない、気づけないのは学習能力が低下してきているせいだろうか。 小さい子供の頃には、なぜかな?と不思議に思うことがあった。 大人になるとなぜかと考えることをしなくなってしまうのだろうか。 大人はなんでもわかっているつもりになるからか。忙しすぎるのか。 人が考えることができるのは、言葉を使っているからであるが、 人が考えることに使っている言葉の多くには間違いも偏見もある。また人の感情から願い、欲望、恐怖などの影響もある。 重要な言葉の認識に間違いがある。 それを基本に考えている現状は、社会を間違った方向に誘導している。 重要な言葉の中には、「正しい」という表現がある。 人は「正しい」という言葉から、間違いは無いと考えるようになり、その思い込みは信じることにつながる。それは、正しいことをしているという確信の下で行動することができるようにする。 「正しい」と考えることが、行動の原動力、信じていることに間違いはないという、行動の裏付け、保証になる。 今まで一般的には、正しいとは間違いがないものと理解されてきた。 正しいを辞典で調べると、「道理や法にかなって、誤りが無い」とある。 人間の世界に、道理や法にかなっていても、誤りがないことはあるのだろうか? 間違いが無いことはあるのだろうか? 道理や法律は人間が作り、人間の世界で通用し、筋道が通っていると考えられているものである。 正しいという表現が、道徳・倫理・法律において、標準・基準・規範において、最も目的にかなったやり方、一番効果のある方法などの意味で使われている。人間の世界で間違いがないものという意味で受け入れられてきた。 しかし、今までに人類が進歩してきたのは、間違いを認識し、修正することができたからである。つまり正しい、間違いが無いという考えは、修正される必要があった。 今までに人間が修正してきた考え、意見、主張は数えきれない。 完璧に思われてきた理論にさえ、間違いはあった。 修正の必要のない時代はなかった。 正しいと言っても、間違いはあった。 しかし今でも、辞書は正しいを誤りがないものと説明している。 では、なぜ正しいに誤りが無いと言えないのか? どこに間違いがあるのか? 正しいに間違いはない、とは言えない理由 この世界が人間によって作られているので、正しいはあると思われてきたが、 人間は時間的に永遠の存在ではない。 宇宙を含め全ては時と共に変化している。人間も人間の世界もまた変化し続ける定めにある。 人間の脳細胞は有限であり、限られている。 これが、人間に完璧な定義はあり得ない理由であると考える。 全てが変化していく。その中で間違いのない完璧なものは作れない。 あるとしても、今(その時)という人間の世界の中でという、限られた枠の中だけにあると言えるが、それでも人間の世界は変化し、修正を必要とするように変わっていく。 人間の世界では、正しいを間違いが無いと思うことにより、思い込みによる正しさが作られてきた。正しいという価値観であり、正しいから何でも許されるというような考えが作られている。 正しいことに間違いはないと、正しさを主張するから争いが起き、戦争が始まる。 正しいには間違いがあるかもしれないと考える必要がある。 「正しいとは現時点で修正の必要はないと考えることであり、間違いが無いという意味ではない。」からだ。 間違いが無いと考えることは、大きな危険を犯す理由になる。正しいと考えるからだ。それが犯罪や戦争につながるなら、やってはいけないことである。 間違いであるのに、正しいと考えるから、正当化させてしまう。 ロシアが当然のように、正しいとして戦争を始めたことは、全ての人間の愚かさそのものを表している。 間違いがない、正しいと考えるから、間違いを認識することはできなくなり、人間の間違いが行使される。 正義は力の象徴であり、正しいという意味ではない。戦争は破壊と多くの人の命を奪うことである。 正義を求め、力を求めるから、人類を滅亡させる以上の核兵器を保有し、更に開発を続けることになる。 正しいという言葉の意味を誤って理解し、使ってきたことに原因がある。 修正が必要である。 現在の人間の世界は間違いだらけである。人間の考え方に問題がある。 考えは言葉で作られている。ことばに問題があることが人間の世界を混乱させている。 人間の言葉を正しく、つまり現時点で修正の必要のないものにすることができれば、人間の世界をあるべき理想に近づけることができる。 これがこのサイトのテーマ、「ことばの認識は世界を変える」と書いた理由である。 マイケル アレフ
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