マイケルアレフのことばの認識は世界を変える

正義はなぜ敵を作るのか?
自由も、平和も、国家、民族という考えも、なぜ敵を作るのか?

人がそのことば(単語)の持つ考えから作られる価値観を正しいと信じるからである。

その考え、価値観のどこに問題があるのか?
考えそのものは、単語から作られたものであり、間違いを含むこともあるが、それだけが問題なのではない。

実体のある物とは違い、考えの対象に実体はない。考えは理想である場合があっても実体ではなく、在るがままの現実とは違う。価値観の問題は、ことば(単語)から作られた考えを信じることにある。


人類はその歴史の初めから、奇跡が起きれば、神様が行ったと信じてきた。奇跡が何か、なぜ起きたのか、人間にはわからないというだけで、そう信じてきた。

思い込みにより価値観が作られ、人間は信じることにより操り人形のように、その価値観に操られるようになる。人類の歴史は、宗教指導者が神の名の下に語ることばを信じるがゆえに、人々は騙され、言い成りになり、戦争を行い、たくさんの人間が殺されてきたことを伝えている。

現代の戦争の問題の根底にある原因は同じで、それぞれの主張から明らかになるのは価値観の違いであり、自分たちが正しいという考えである。
話し合いでは結局、価値観の言い合いに終わってしまう。
互いに自分たちが正しいと考えるから答は出ない。妥協点が簡単に見つからない。
そこで解決するために力に訴える。争うことになり、戦争が始まる。

人類は長い間、力で問題を解決してきた。力は正義であった。正義が敵である悪を倒し勝つと信じられてきた。しかし、本当は正義も悪もない。力こそ正義であった。
ところが力はどんどん大きくなり人類は核爆弾まで作ってしまった。
力は正義どころか人類を滅亡させるほどのものになった。
力で解決しようとすれば、人類が滅亡する危険が生じる。
力は正義ではない。元々正義ではなかった。正義の味方は人間が勝手に作り上げた幻想だ。

価値観は、人間の世界で、人間が作った考えである。正しい価値観はない。考えに実体は無い。勝手にあると思い込んでいるだけである。

解決の方法はあるか?
互いの価値観を除いて話し合うことができれば、戦争を回避する道は開けるように思える。

しかし、正しいと信じている価値観をどうしたら取り除くことができるのか?
神を信じている人に、神の存在が無いと説明するようなものである。
納得させることは、非常に難しい。しかし、不可能ではない。

信じているのは、信じたいからであり、事実、現実、真実とは直接は関係ない。当人が事実に基づいていると誤って思い込んでいるだけの場合が多い。
自分の間違いに気づくことができれば、修正は可能である。

無数に存在していた神々の多くは科学の発展と共に姿を消した。人類が間違いに気付いたからである。
ただし、人間にはわかり得ないものが存在していることは今も現実にあり、それを神と呼べば否定できない。
神はわからないから神なのであり、「神ということばは人類の無知の象徴である」と書いてきた理由である。

人類の歴史は戦争であふれている。人類はその間違いに気付き始めた。戦争をすべきでないと考える人は多い。もう少しで世界は変わるところまで来ていたのではないか。
人々は戦争が悪いと思っている。その理由は戦争が人々に不幸、悲劇をもたらすからである。
しかし、それで片付けてはいけない。それでは問題の原因がわかっていない。戦争が悪いのではないからだ。

問題は戦争にあるのではなく、戦争を始める人間、人間社会にある。人間に、人間社会に間違った価値観が植え込まれているからである。
自由、平和、国家、民族などの価値観は人間が幼少の時期に、人間であることの意味を知る前に作られている。今も人間のあるべき姿が明確に教えられていない。人間とは何かがわからないと思っている。
国や宗教等で人間のあるべき姿が勝手に教えられている。
人間に統一された考えが未だ確立されていない。

戦争は、人間が「考えを価値観にして信じていること」に原因がある。
価値観を見直し、修正することが必要である。

人類全体を導く指針となる人間のあるべき姿、考えを模索し、作り、新しい価値観として教えることが必要である。
昔は人間が何かわからなかった。今はヒトゲノム遺伝子や、脳の働きなどがわかるようになり、人間の存在の意味がわかり始めている。昔は不可能であっても、現在の今なら、その人間の意味を価値観として新たに作ることができるのではないか。



このサイトのシリーズを始めた頃、戦争が起きるのは思い込みに問題があると考えていたが、思い込みは価値観を作るからと考えるようになった。しかし、それとは別の問題があることに気付いた。現在、価値観を正しいと思い込み、信じることに真の原因があると考えている。

そう考えて見れば、争いの原因がよく見えてくる。
ロシアとウクライナの戦争の原因はロシアの侵略に始まる。
なぜプーチン大統領は侵略を始めたのか?
自分の考えを価値観とし、間違いのないものと信じたからではないか。
価値観の違いは話し合いでは簡単には解決しない。解決の道は力に訴えるしかない。
自分の正義を正当化し、行動したように見える。

人間の考えは、その時代の人間の作った考えに過ぎない。それを間違いのないものという価値観にして信じるから、自分が正しいことになり、力に訴え、戦争を始める。

これが争いの真の原因であると考える。ロシアだけの問題ではない。人類の、全世界の問題である。
人類が持っている考えによる価値観を信じていることを修正しない限り、同様の問題が起き続ける。

オウム真理教による殺人事件、日本赤軍によるリンチ殺人事件、イスラム過激派の自爆テロ、幼児虐待にみられる躾(しつけ)の問題も、安部前総理の殺人に至った統一教会の問題も、信じる内容は違っても信じることは同じ結果に表れている。自分の考えが正しいと思い込み、信じると、人はその価値観に操られることになることを示している

互いに立ち止まり、価値観の元の考えを見直し、どこに間違いがあるのか視点を変えて考えてみる。人間の社会の正義や論理を持ち出すのではなく、相手の立場や大自然から見た立場で考える。
間違いがあることに気付けば、人類の生き残る道は開かれ、人間として生きる意味ができる、と考える。



間違いを信じそれで幸せであると信じていることは、個人の問題であり、憲法に保証されている信教の自由であるから許されると考えられている。

しかし、間違いを信じることにより殺人、詐欺、虐待などが起きていることを考えれば、間違いは正される必要があることに気づく。

何を正すのか? 考えに間違いはあり得るので、初めから考えを否定することはできない。ただし、信じる内容である考えに間違いがあってはならないのではないか。

信じる内容は間違いがないと検証される必要があるように思える。
しかし、時代と共に科学は進歩し、人の考えは変わるものである。絶対正しい考えは今までになかった。絶対は今後も無い。人間に間違いが無いということはあり得ない。
検証することは難しいようにも思える。

現時点では、信じることには大きな危険を伴うことがあると認識することが重要に思える。


マイケルアレフ 2023年3月