思い付き ☆12 加齢による老化現象はあっても、脳と関係する思考は老化しない?

言い換えるなら、その人の持つ認識により、いつまでも若い心でいることはできる。
気持まで年を取るのは、環境と自分自身の老化を心にまで影響を与えるためではないか。

40代、50代、60代と歳を取ると共に老化は進む。しかし、人の持つ思い、考え、気持ち、心、精神は変わらない人もいるのではないか。

30代以前の若い時と同じに感じることは無理でも、それに近い意識でいることはできるのではないか。脳細胞による記憶は昔のままに思える。

ヘンリーフォードは次のことばを残している。
二十歳、八十歳であろうと、学ぶことを止めた人は老人だ。学び続ける人は何時までも若い。人生ですばらしいことは知性を若く保つことにある。

THE BYRDS が歌ったボブディランの曲 MY BACK PAGESにある一節にはこう書かれている。
I was so much older then. I'm younger than that now.
あの頃僕はずっと老いていた。今僕はあの時より若い。


数十年前の中学校などの同窓会、クラス会で会った人たちがみな年をとり、見るからに老いていることがわかるのに、話していると数十年前に戻り、互いにその時の雰囲気を楽しんでいる。その当時に戻り、若い自分に戻っている。歳は取り風貌は変わるが、変わらないものがある。脳にある記憶、記録である。

ここで言う脳とは神経細胞のことだ。記憶(記録)を作り、それを思い出させる神経細胞シナプスや電気信号のことである。
脳細胞は新陳代謝をしない。脳細胞は寿命がある限りずっと生き続けている。
ただしその記憶の元の細胞は長い人生の中で初めの状態を維持しているわけではないと考えられる。シナプスとよばれる神経組織は大量に死んでいくものもあると昔は考えられていた。
「加齢によって低下するのは近時記憶の記銘のみであり、他の能力はさほど低下しないと言われている。」・・・プロが教える脳のすべてがわかる本より


生きてきた記憶は記録として残されている。記録は過去のものであっても、記憶は今も生きている。脳神経細胞は新陳代謝しないことから、将来の医学の発展により、その記憶を思いだすことができ、完璧にとはいかないまでも、全ての過去の記憶を現在によみがえらせることが可能になるかもしれない。

現在と過去を分ける瞬間という今はないと書いた。人生は今であると書いた。過去から現在に至るまですべては連続している。連続した今とは人生そのものではないかと。
人には生きてきたその時その時の自分という今がある。その時の今は脳の中に記憶として残されている。死ぬ時が来るまで、連続した今の記憶は残っている。

年と共に学ぶことも変わり、認識も変わる。その時、その時の認識がある。20歳、40歳、60歳では認識は違っている。しかし、一連の出来事は思い出として記憶に残されている。

認識の変化は自分の中での変化であり、いつでも今の自分がいる。

マイケル アレフ 2018年10月