Simple Truths will correct the human beliefs
by Michael Aleph


マタイによる福音書 5:44 敵を愛しなさい

ユダヤ人のイエスはそれまでになかった「敵を愛しなさい」という教えを説いた。
新しい教えであり、長いイスラエルの歴史の中で、伝えられた教えとは正反対のことであった。それまでただ一人の神は正義の下に敵と戦い、敵を滅ぼすことを奨励し、要求してきたからだ。

しかし、敵とは「昨日の敵は今日の友」ということばがあるように、敵は人間であり、人間は変わる存在である。良い人にもなれば、悪い人にもなる。今日の友でさえ、明日は敵になることも考えられる。

過去においては、神により善悪が決められた。しかし、悪人と決めつけ、敵にしてよいものか。その人の考え、価値観、状況で敵が作られる。悪人が作られる。それを神によると言い訳する。
人間に良い人、悪い人はない。人はただ人である。
一般的に良い人とは自分にとって都合の良い人という意味であり、善人の意味ではない。善人などいない。

敵も悪人も本来いない。敵は自分の中にある。それは人間の心にある。
人間の想像力、感情、状況が勝手に理由を見つけ敵を作り出す。

法律違反、ルール違反の人、犯罪者はいる。しかし、悪人はいない。敵はいない。

「敵を愛する」という表現には誤りがある。
正しくは、「敵を作ってはならないであるべきだろう。

天気に良いも悪いもない。天気は天気である。しかし、人の感情やどう見るかで天気は変わる。

 
花そのものは、自分が美しいとの意識はない。受け継いだ遺伝子によって花を咲かせるだけである。人はそれを見て、美しいと思う。
自分から見て、自分は美しいと思うのは、人間だけだろうか。

Simple Truths by Michael Aleph